とある晴れた日、私は本屋に立ち寄った。すれ違う子連れのお母さん、泣き叫ぶ子供を怒鳴りつけ眉間にシワを寄せながら歩く。その背中にはアネロ【anello】と書かれたリュックがあった。
昼過ぎ、私はランチをとりに高級イタリアンへ。隣には席の子連れのお母さん、この店名物のミラノ風ドリアを頬張りながら恍惚とした表情である。その横にはアネロ【anello】と書かれたリュックが置かれてあった。
夜になり、私は作業をしにコーヒーショップへ。前に並ぶ子連れのお母さん、旦那に席を確保させるその姿はまるで戦場の指揮官のようだ。その背中には爆弾、いやアネロ【anello】と書かれたリュックがあった。
この街に一体何が起きているのだろうか・・
これは国策なのか?
それにしてもなぜこんなにも多く見かけるのだろうか。
もしかしてアネロ【anello】と書かれたリュックは子供が産まれると国から支給されるのか?
もしやと思ったが、きっとそうに違いない。
そういえば岸田総理が臨時国会で言っていたような・・いやそんなはずがない。いや、言っていたと思う。そうだ、たしかに言っていた。
そういえばあの日イタリアンの店で若いママたちから「アネロ【anello】アニメ化されるらしいよ」
という会話が聞こえた気がする。いや、ドラマ化だったかもしれない。
そもそもアネロ【anello】とはなんなのか?
そもそもアネロ【anello】とはなんなのだろうか?
困ったときのAI頼み。問いただすとこんな答えが返ってきた。
どうやら我々の知らぬ間に世界各地に侵食し始めているらしいのだ。
このままでは世界中がアネロ【anello】一色になるのは時間の問題だ。
今日もアネロ【anello】は街に溢れている
今朝の目覚ましテレビでやっていた「今日のアネロ【anello】」でこんなことを言っていた。
小さい子供いると、どうしてもリュックになってしまうんだよね 、両手開くから。ちょうどいい感じのポケットなど便利機能もあり、汚れに強くて手頃な値段と機能性をカバーすると、どうしてもアネロ【anello】になってしまう。
そうだったのか、子育てママさんは無給で無休なうえに大変な仕事を毎日こなしているのか。
そして誰にも褒められる事なく頑張っているのか。
それなのにお前らときたら、たまに家事をしたくらいでやったった感を出して何気持ちくなっちゃってんの?
そうだ、そう、そこのお前だ。聞いているか?
アネロ【anello】は世界を救っているのだ。
お前らよりもアネロ【anello】のほうが役に立ってるのだ。
世界に広がるアネロ【anello】の数とお前らの無力さは比例しているということだ。
今日もアネロ【anello】は街に溢れている。
そんなアネロ【anello】が支えていたのはまぎれもなく日本の未来だったのだ。